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1.3. 情報システム投資における課題

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 近年、市場の変化とビジネスのスピードは増すばかりである。また、市場や生産拠点を海外に求めるグローバルな展開がよりいっそう活発化している。

 

 不況の影響下にあって、あらゆる業界では再編がさかんに行われている。かつては13あった都市銀行が4つに再編された。そのほかにも、総合商社・鉄鋼・食品など、さまざまな業種の企業合併が続いている。その一方で、ITバブルと呼ばれた1998〜99年ごろに話題を呼んだネットベンチャーのほとんどが消え、規模を拡大したネットベンチャーの一部は企業買収により、そのサービスの範囲を金融業界にまで広げるほどの多角化を進めている。

 

 このようなスピードの速さと変化への対応が求められる時代にあって、企業経営に求められているのが、BPR(Business Process Reengineering:業務再構築)の推進力と変化に対応したシステム開発である。

 

 しかし、BPRは遅々として進まず、企業のITガバナンス(情報システム統治*1)はすでに崩壊の一途をたどっており、事実上、迅速かつ的確なシステム化は困難である。この状況を正すには、まず経営陣による明確な経営戦略の下で専業のCIOがシステムに関与し、監査機能を持つことが第一である。

 

 経営戦略上、各事業のプロセスはどうあるべきか、それを実現するためのシステムはどのようなものでなければならないのか。システムの投資額はどの程度が妥当か、システムはいつまでに必要なのか。ランニングコストはどのくらいが妥当か、投資をどのくらいの期間で回収するのか。リスクはどこにどのくらい潜んでいるのか、結果をどのように評価するのか、などの基準を持つ必要がある。つまり、経営戦略やシステム戦略は部分最適であってはならず、企業全体を包含した最適化を行わなければならない。また、それらは関連部門への徹底が必要であり、達成状況は経営者が厳しく監査しなければならない。

 


*11998年に経産省(当時は通産省)が行った「ITガバナンススコアカード策定支援プロジェクト」によると、「企業が競争優位性構築を目的に、IT戦略の策定・実行をコントロールし、あるべき方向へ導く組織能力」とされている。
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