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10.4. ネットワーク図の作成

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 WBS項目が100を超えるようなプロジェクトや、10人以上が参加するプロジェクトでは、それぞれのWBS項目に対して、作業の前後関係・依存関係を明確化しておく必要がある。

 

 各作業の前後関係を明確にすることで、矛盾のないスケジュールにできる。矛盾のないスケジュールを作るということは、予想以上に納期やコストがかかるのを未然に防ぐ意味で、非常に重要なのは言うまでもない。

 

 作業の前後関係や並行関係を表現するのには、ネットワーク図を作成する。ネットワーク図の作成はWBSを見直す意味もある。例えば、作業の前後関係や並行関係を整理することで、必要な作業がWBSに記載されていないことや、作業の重複に気がつくことがある。また、前後関係や並行関係に矛盾や無理を感じた場合には、ワークパッケージを分解しすぎていたり、ワークパッケージが大きすぎていたりする場合が多い。このようなときには、ネットワーク図を検討すると同時に、作業を分解し直してみるのがよい。

 

 プロジェクトマネジメントツールでは、作業の前後関係は、対象となるWBS要素の先行タスクを指定するだけである。先行タスクを指定する上で必要となる概念を、表10-1に記述しておく。

 

概念

説明

終了-開始
(Finish To Start)

選考作業が終了すると、後続作業が開始できる。例えば、「プログラミングが終了すると、単体テストを開始できる」というような作業順序を表す。

開始-開始
(Start To Start)

選考作業の開始と同時に後続作業が開始できる。ただし、後続作業が先行して開始されることはない。例えば、「基本設計の開始と同時にシステムテスト計画を開始できるが、基本設計に先行してシステムテスト計画が開始されることはない」というような作業順序を表す。

終了-終了
(Finish To Finish)

先行作業の終了と同時に後続作業も終了する。例えば、「機器をレンタルした場合、レンタルしている期間内にその機器を使用した作業を終了させなければならない」というような作業順序を表す。;

開始-終了
(Start To Finish)

先行作業の開始が後続作業の終了となる。このようなプロセスの組み立ては一般的ではなく、ほとんど利用されない。;

表10-1 PDM法の作業順序の概念

 

さらに、リード(LEAD)とラグ(LAG)の概念も必要である。

 

  • リード
  • 先行作業の終了を待たずに、後続作業の開始を早めることができる期間である。

  • ラグ
  • 先行作業が終了してから、後続作業の開始までに空けなければならない期間である。

 

 ネットワーク図の記載を完了した段階で、WBS辞書にも作業の前後関係を記載しておき、WBS(およびネットワーク図)、WBS辞書の整合性を維持するようにしておく。

 

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