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11.4. リスク管理への間違った意識

ハッピィ・エンジニアリング表紙

 一般的なプロジェクトでのリスク管理への取り組みは、以下のような問題がある。

 

  • リスクの抽出や検討がプロジェクトの任意の段階でしか行われない
  • 想定外の問題が発生する
  • リスクが顕在化してからの対応となる

 

 先送りしてきた問題や気づいていないリスクは、プロジェクトの後半に次々と顕在化していく。プロジェクトの後半は納期に追われ、リソースに余裕がなく、問題への対処をする余裕さえ無い場合がある。

 

リスクが現実の問題となってから対応している

 リスクは事前に抽出されるべきものである。プロジェクトの工程が進むに従い変更のコストが増加していくという原則に従うとすれば、プロジェクトのリスクはできる限り早いタイミングで潰しておく必要がある。

 

 リスクに気がつくタイミングが遅れてしまうということは、リスクへの対応を考える時間すら残されていない場合がある。スケジュールがタイトなプロジェクトでは、リスクを発見するのが遅れることで、スケジュールを大幅に遅延させることがある。強引なスケジュールの圧縮は品質に影響を与えることが多い。

 

 さらに、リスクを早期に発見しておけば、リスクへの対策が可能であったかもしれないが、リスクを認識したのが遅かったために、対策を打つことすらできない危険を持つ。気がついたときには、すでに手遅れだった、ということもプロジェクトには頻繁に発生する出来事の一つである。

 

 つまり、リスクを回避する手段、軽減する手段、実際の問題となった場合の対応を事前に検討し、できる限り事前に対処しておかなければならない。

 

プロジェクトの初期段階の検討で終っている

 要件定義の章に記述したように、システム開発は、ユーザ企業から下請けに至るまで、開発対象を明確に理解していないという現実がある。工程が進み、内容が詳細化されるにつれて、開発の全容を徐々に理解していく。このようなプロジェクトの特性を考えると、プロジェクトの初期段階に認識されたリスクは、プロジェクトのリスクを包括したものではない。リスクの抽出と対策の検討は、プロジェクトの工程全体を通じて行うべきである。

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