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11.5. リスク管理を根付かせる

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 個々のシステムの品質を均一にする上でも、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダの経験則やスキルに依存せず、リスクマネジメントをプロジェクトマネジメントプロセスに組み入れることは必要不可欠である。さらに、それが形骸化せず、文化として根付かせるために必要最低限、以下のような活動を行わなければならないだろう。

 

  • CIOレベルで、開発リスクに対する認識を持つ
  • リスクに対する教育を徹底する
  • リスク管理の権限を技術者に移譲しない

 

 やはり、システム開発においては、ユーザ企業のCIOによるリスクマネジメントを徹底する姿勢が求められることは言うまでもない。全社として取り組むテーマの一つであると認識することから全てが始まるといっても過言ではないだろう。

 

 システム開発という業務が持つ一般的なカルチャーとして、「失敗が想定される」ことはタブーであると言える。しかし、「悪い話を聞きたがらない」という現実を短絡的に判断するわけにもいかない。

 

 リスクの抽出と対処については、

 

  • 何がリスクなのか
  • どのような対策を講じる必要があるのか
  • そのリスクが問題となった場合の対処にどの位の時間やコストが必要なのか

 

という明確な判断材料を持った上での問題提起が必要だ。合理的な判断を可能にする材料を揃えておくことで、責任の押しつけあいから建設的な会話にシフトしていくことは十分に可能である。

 

 さらに、「悪い話」を受け入れ、積極的に解決するという姿勢を持つためには、リスクに対する教育の徹底が必要である。何がリスクなのか、放置した結果どういうデメリットがあるのか、リスクマネジメントを行うことで、どれだけのメリットを享受できるのか、という教育が必要不可欠だ。

 

 さらに、リスク管理の権限を技術者に移譲しないことである。技術者は、与えられた作業を完遂するのが使命である。リスク管理を技術者に任せることで、技術者の良心が結果を悪い方向に向かわせてしまう。真面目な技術者であればあるほど、自分自身では解決が不可能な問題を自ら抱え込み、結論が出せないという状況を生む場合が多いのである。

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