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11.6. リスク管理のメリット

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 リスク管理のメリットは、そのリスクが顕在化し、順調に対処できてはじめて効果が理解できるため、目に見えにくいものである。しかし、プロジェクト全体を俯瞰してみると、そのメリットの大きさを認識することができる。

 

 プロジェクト計画について、何度も

 

  • 計画を逸脱しないこと
  • 変化に対応しながら改訂していくこと

 

を強調してきたが、これを成立させ、突発的な事象なく計画の範囲を逸脱せずにプロジェクトを進めていくことができるのがリスク管理である。

 

 突発的な事象なく、計画の範囲を逸脱しないことには大きなメリットがある。

 

 問題が発生しそうな場所は、たいていの場合、不確定要素である。未定義の要件や、技術的な検証が必要な項目など、リスクの洗い出しを行う中で、不確定要素がピックアップされる。何が不確定なのか、どんな事象が発生するのか、という不安が解消される。

 

 問題が発生する前に未然に対処することで、スケジュールやリソース割り当てを変更することなく作業を進めていくことができる。

 

 問題が発生した場合にも、その対応策をあらかじめ想定しているために、指揮命令系統が混乱することもなく、意思決定を待たずして技術者が問題への対処に当たることができる。

 

 突発的な事象や、計画されていない作業が入ってくることは、技術者の精神面に大きな負担となる。しかし、計画の通りに作業を進めていくことに対する抵抗感は少ない。

 

 このように、プロジェクトはリスク管理を行うことで、「想定外の事象」や「失敗」を経験せずに小さな成功を積み重ねて終結することが可能になるのである。不確定要素が現実の問題に変貌したとき、リスク管理によって、その解決にかかるコストや時間を節約し、プロジェクトのQCDを満足させることができる。

 

 火をチマチマ消すことがリスク管理ではない。火がつかないように、たとえ火がついたとしても、限りあるリソースの中で即座に消火できるようにするものがリスク管理である。

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