このエントリーをはてなブックマークに追加LINEで送る

13.2. 変更管理のメリット

ハッピィ・エンジニアリング表紙

 ユーザ企業にとっても、SIベンダにとっても、変更管理は面倒な作業である。ユーザ企業は変更要求を受け付け、合理的判断に基づいて変更を承認し、SIベンダに作業を依頼する。SIベンダは、ユーザ企業が出す要件と、設計書の整合性を確認し、設計書とソースの整合性を維持し、テストケースへの反映を行う。

 

 このような、労力がかかる作業は、「きちんと変更管理をやれ」という掛け声だけでは成立しない。変更管理の目的意識を持つことも重要だが、こうした負担の大きい作業については、利害関係者全員が多くのメリットを享受できることの周知徹底がさらに重要である。

 

 変更管理を行うことで、以下のようなメリットが生まれる。

 

  • 「言った」「聞いていない」という不毛な論争を避けることができる
  • 現在の姿に至るまでに、どのような経緯があったのかを理解できる
  • 開発対象システムの正しい姿が理解できる
  • すべてのドキュメントと実装に一貫性があることが保証される

 

 ユーザ企業の企画部門・ユーザ部門・システム部門の利害も対立している。変更管理を行う大きなメリットのひとつは、変更内容が周知徹底され、それが合理的な判断によるものであることを証明できることである。

 

 開発対象システムの正しい姿が描かれ、すべてのドキュメントと実装が一貫性を持つことで、開発の生産性が向上する。最終的な要件が不明確で混乱したりすることはなく、技術者の交代が発生したときにも、何が正しい仕様なのかがわからなくなったりすることはない。プロジェクトの後半には、「なにが正しいのか」わからないことが原因で、頻繁に手戻りが発生するが、それを十分に抑止する効果がある。

 

 さらに、ドキュメントと実装の乖離による運用負荷の増加、保守や二次開発コストの増加という問題の回避が可能になる。

 

 このような変更管理のメリットを、利害関係者全員が認識することで、面倒な作業に対する十分な動機づけとなる。ユーザ企業・SIベンダのそれぞれは、これらのメリットを利害関係者全員に周知徹底のための教育体制を持つ必要がある。

シェアしてくれると嬉しいです!
このエントリーをはてなブックマークに追加LINEで送る

13.2. 変更管理のメリット ハッピィ・エンジニアリング関連ページ

13.1. プロジェクトにおける変更管理への認識
ソフトバンククリエイティブから刊行されたハッピィ・エンジニアリングが無料で読めるサイトです。
13.3. 変更管理プロセスの位置付け
ソフトバンククリエイティブから刊行されたハッピィ・エンジニアリングが無料で読めるサイトです。
13.4. 変更管理における役割
ソフトバンククリエイティブから刊行されたハッピィ・エンジニアリングが無料で読めるサイトです。
13.5. 変更管理プロセス
ソフトバンククリエイティブから刊行されたハッピィ・エンジニアリングが無料で読めるサイトです。
13.6. 変更管理方法論
ソフトバンククリエイティブから刊行されたハッピィ・エンジニアリングが無料で読めるサイトです。

ハッピィ・エンジニアリングとは? 書籍を読む プロフィール コンサルティング