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14.1. 敗戦処理投手

ハッピィ・エンジニアリング表紙

 プロジェクトマネジメントの本質は、綿密な計画をし、変化に対応しながらプロジェクトをコントロールし、結果としてQCDを満足させて終結させることである。しかし、それは簡単なものではなく、プロジェクトは往々にして火を噴くものである。

 

 技術者であれ、マネージャであれ、あるいはどんな会社であれ、それぞれ火消し役というポジションが存在する。それなりの実力が要求されるポジションではあるのはいうまでもない。特殊な環境下でプロジェクトを終結に導くのが主な使命である。

 

 火消し役(だと自分が思っている人)は、プロジェクトに投入されるたびに「またか」とウンザリし、そして火消しであることを自慢するものだ。しかし、火消しはプロジェクトマネジメントの本質ではなく、「火がついたプロジェクトに必要」なことにすぎない。

 

 プロジェクトは、ついてしまった火を消すよりも、上述したプロジェクトマネジメントの本質に従いスムーズに実施するほうがはるかに難しい、と考えるべきである。

 

 システム開発の世界では、火消しは敗戦処理投手である。勝利目前の1点差を守るような試合には登板しない。9回に10点差がつき、打者が一巡、1アウトで二塁、三塁。ここで2点取られても、打者4人でゲームセットすればよいだけのことである。先発で登板し、ローテーションが狂わないように役目を果たしたり完投勝利したりするほうが、よほど難しい。そして、敗戦処理投手は、どれだけ厳しい状態から抜け出すことに寄与しても、チームの勝利に寄与することはない。結果を評価されることがない世界である。

 

 火消し役の人は、火消しに甘んじることなく、プロジェクトに火がついた原因を見極める力をつけるべきである。それが結果として、プロジェクトをコントロールし順調に進めていく糧となるだろう。近い将来は、先発完投型の投手として、計画段階からプロジェクトに参加し、QCDを満足させる結果を残す方向性を目指していただきたい。

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