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14.2. 火消しに与えられた命題

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 「火がついている」プロジェクトの状態には、以下のようなパターンがある。

 

  • ユーザ企業、元請けの両者がすでに、システムリリースの日程を変更させざるを得ないと判断している場合
  • 仕様追加などに起因してコストが大幅に超過した場合
  • テストプロセスやプロトタイプ開発採用時などによくある、信頼性が低下している場合- レスポンスやスループット面など、要求される性能が満足できない場合

 

 このような状況の中で、プロジェクトの上層部が考えていることは以下の3つに限定される。

 

  • 超過しているコストを、どれだけ抑えられるか
  • リリースの遅れを、どこまで抑えられるか
  • 十分な品質を確保することが可能か

 

 プロジェクトマネージャは、現状のメンバで、これ以上の追加投資をせずにどうにかしたいという甘い考えを捨てなければならない。このプロジェクトをやり遂げなければならないのであれば、ある程度の予算超過には目をつぶり、これ以上信用を失わないようにすることを大前提として臨むべきである。追加投資をせずにやり遂げられるのであれば、プロジェクトに火がつくような事態には至らなかったはずなのである。ただし、追加投資は、コストが無尽蔵に膨れ上がっていくことのないように十分配慮したうえで行うべきものであるのはいうまでもない。

 

 火消しの役割とは、プロジェクトを迅速に正常化させること、品質を維持すること、コストが無尽蔵に膨れ上がることがないようにプロジェクトを進めていくことである。リリースが遅れる前提で火消しに入るのであれば、運用開始後のトラブルを避けることが一番重要なポイントになる。このような場合には、発注側・受注側の両者にとって、もはや企業の信用に直結した問題になっていると言っても過言ではないだろう。

 

 このような状況の中で一番重要なことは、外部からの風当たりがどれだけ厳しくとも、自分自身が慌てたり焦ったりしないことだ。もはや状況は最悪である。これ以上悪くなることはないと開き直って、気持ちの余裕を失わないようにしたい。品質を第一に考え、落ち着いて判断し、行動しなければならない。

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