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14.8. キッチリ任せる

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 「号令」による指示は、こまめなチェックを怠らなければきちんと完遂するのは容易である。ここで重要なのは、仕事を任せることである。時間に遅れることなく成果が出ている限り、プロジェクトリーダがいつまでも現場にいる必要はない。状況を把握し、作業指示と問題解決が一段落したら、「あとはお任せします。よろしくお願いしますね。もし何か問題が起きたら、遠慮なく電話してくださいよ」とメンバに声をかけて、帰路に就けばよい。

 

 1日の担当範囲が終了したメンバは、ほかのメンバの手伝いをする必要がなければ早く帰宅させるべきである。火がついたプロジェクトでは、自分の仕事が終わり、手伝えることがなくても、帰宅するのは気がひけるような状況を作ってしまう。特に、プロジェクトリーダがいつまでも現場を見張っているようだと、プロジェクトメンバもずるずると残業してしまうのが、システム開発現場にありがちなカルチャーである。

 

 当然、「ここは全員で乗り越えなければ」というような重要なイベントのときは、プロジェクトリーダは最後まで見届ける必要がある。深夜まで作業しているメンバになんらかの問題があったときは、電話連絡を受けて、その対応策を講じる必要がある。

 

 しかし、プロジェクトが終了するまで、プロジェクトメンバが体調を壊さずに仕事ができる環境を作るのもプロジェクトリーダの重要な役割である。通常の業務内でいつまでも現場に居座るようなことは避けるべきである。

 

 ただし、「任せられるかどうか」の判断は重要である。数時間おきにチェックしなければ品質を維持できない、生産性が向上しない、ということも十分にあり得る。なぜならば、昨今では、システム業界全体のスキルダウンが甚だしい。さらに、火のついたプロジェクトには、往々にしてドキュメント作成、プログラミング、テスト、デバッグという作業自体に共通のプロセスや流儀が存在していない。一度任せてみて、「任せられる」という判断が正しくなかったとしたら、1日に課される成果が達成されない限り、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダ、チームリーダが帰宅することなど、もってのほかである。1日の作業が達成したことをチームリーダに承認されたチームメンバのみが、帰宅を許されるのである。

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