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8.5. プロジェクトマネジメントを浸透させるために

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 本来のプロジェクトマネジメントを浸透させるためには、プロジェクトマネージャへの徹底した再教育と、プロジェクトマネジメントプロセスの標準化が必要である。

 

 しかし、その一方でシステム開発プロジェクトに最適なマネジメント体系が存在しないことも事実である。PMBOKはプロジェクトマネジメントのスタンダードとなりつつある。それぞれの知識エリアにあるものは、システム開発のプロジェクトマネジメントにも必要な観点であることは言うまでもない。しかし、PMBOK自体がシステム開発に特化したものではないため、個々の知識エリアをそのまま適用するにはギャップが大きい。

 

 システム開発においては、ソフトウェアエンジニアリングの観点から、PMBOKの個々の知識エリアとのギャップを埋めていくことが効果的である。生産性を向上させる、リスクをコントロールする、変更を管理する、品質を管理する、進捗を管理するなどのマネジメントの課題に対する、より具体的な方法論はPMBOKには存在しないが、ソフトウェアエンジニアリングの世界には、最適な考え方が多くの文献で紹介されている。個々の特性をわきまえた上で、適切なものをピックアップし、実態に合わせて改善を加えていくことが求められている。

 

 そして、企業におけるプロジェクトマネジメントを徹底するためには、プロジェクトマネージャに対する正当な評価軸が必要である。企業における人事考課の評価軸は、間違いなく組織の行動を変えていくものである。

 

コラム:本末転倒はどこまでも

 

 あるプロジェクトは、プロジェクト経費で割り当てられた、A4コピー用紙の予算を使い果たしてしまい、A4コピー用紙の追加予算承認が出るまでの間、派遣の女性がA3用紙をA4に切るという作業をひたすら続けていたことがある。派遣会社に支払う40数万円のコストのうちのかなりの金額が、A3の用紙をA4にするために使われたのだ。勘違いなプロジェクトマネジメント(あるいは、経理部門の問題なのかもしれない)は、このような喜劇を生むこともある。せめてもの救いは、100名以上が稼働する大規模プロジェクトであったために、派遣社員の人件費に対する効果を誰も測ったりはしなかったことであろう。

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